フリーランスのエンジニアに向いている人・向いていない人

今回は、タイトルどおり、フリーランスのエンジニアに向いている人・向いていない人ついて、考察してみました。
具体的なデータではなく、個人の経験・主観に基づいた内容であることにご注意ください。


さて、フリーランスのエンジニアとして働いている理由は人それぞれですね。
どんなタイプの方がいるか、例を挙げると・・・

  • 技術志向が強い方
  • お金を稼ぎたい方
  • 個人で製品・サービスを開発したい方
  • 家庭の事情や病気などで会社員としての長期勤続が難しい方

などなど。
挙げたらきりがないので、このくらいに留めておきます。


この中で一番フリーランスに向いていないのは、技術志向が高い方ではないかと思います。
少なくとも私の経験では、独立後、早い段階で廃業し会社員に戻るのは、技術志向が高い方達でした。


なぜ早期に廃業するのか?
直接訊いたわけではありませんが、何点か理由に心あたりはあります。


まず最初に、事前に抱いていたイメージと実態が大きく異なるため。
技術志向が高い方の場合、自分で仕事を取ってくるよりも楽なので、エージェントを利用した準委任契約・客先常駐型の方が多いと思います。
エージェントを利用すれば、興味がある技術を使えるプロジェクトを探すこともできます。
ただ、基本的にはそれは実質、 SES 契約に近いです。
労働環境がよいかと言われると、それほど良くはありません。
スキルの高い方と切磋琢磨できるような環境でもなければ、クライアントの正社員の方とのやり取りで苦労することも増えます。
セキュリティ上の理由から制約も強く、得られる情報が少なく、できないことは多くなります。
最近は聞きませんが、狭い席でノートパソコン1台で作業することもあります。
契約終了直前に、がっかりしたような話を聞くことが幾度となくありました。

 

次に、年収や待遇の面で、正社員の方にメリットを感じるため。
スキルが高い方であれば、正社員であったとしても業界平均よりも高い年収がもらえると思います。
一方で、フリーランスのエンジニアの平均年収は意外と低く、700〜850万くらいです。
会社員の時より 1.5 倍は稼げなければならないと言われますが、準委任契約・客先常駐型の場合それが可能なのは 30 代前半くらいまでのようです。
1年間ずっと準委任契約・客先常駐型で働き続ければ、1,000万を超えることも難しくはありませんが、営業活動で1・2ヶ月費やしてしまうと年収は下がります。
また、最近では正社員に高い自由度を与える会社も増えてきました。
正社員の副業を認める会社は増えつつありますし、コロナ禍以前からリモートワーク可・コアタイムなし、という会社はありました。
年齢にもよりますが、両者の差は狭まりつつあるように思えます。

se-hack.com

 

最後に、面倒な作業が増えるため。
面倒な作業といっても個人事業主の場合は、せいぜい確定申告ぐらいですが、それすら忌避する方はいます。
そんな時間があるのであれば、新しい技術の習得や情報発信に力を注ぎたい、と考えているのではないでしょうか。
プログラマーは面倒くさがりという通説がありますが、正にそのパターンですね。

 


逆に、フリーランスに向いているのは、お金に貪欲な方だと思います。
会社に所属したまま個人事業主として独立したり、プロジェクトの途中からエージェントを介さず直接顧客と契約したり、といった感じで、ちゃっかりしていて抜け目がないです。
準委任契約・客先常駐型で働いていても、数年でより稼げる業態にシフトしていきます。

 


ちなみに、技術志向が強い方でも、大企業と長期に渡り契約を更新し、長くフリーランスとして活躍し続ける方もいます。
技術志向が強い方で、何らかの理由でフリーランスを続けたい方には、個人的に大企業がオススメです。
また、30代・40代くらいであれば正社員への転職も可能ですから、技術以外の目的・目標を達成できたら、転職を検討してみるのもありだと思います。

 


以上、経験ベースの主観ではありますが、フリーランスのエンジニアへの向き・不向きについて考察してみました。
実際には、フリーランスとして働く理由は 1 つではないと思うので、迷われている方は自分の優先順位についてよく考えてみてください。